機関名: NTT コミュニケーション科学基礎研究所 協創情報研究部
担当者: 成松 宏美
連絡先: cs-liaison-ml[at]hco.ntt.co.jp ※お問い合わせの際は、成松までご連絡ください。
シーズ技術・製品の概要
従来の対話システムに欠けていた、ユーザの発話内容をシステムが理解しているとユーザに感じさせる「理解してくれている感」のある対話を目的とした研究です。ユーザの話したイベントを構造化された情報(いつ、どこで、等)として理解することで、イベントの内容に即した共感や話題展開を実現します。
本テーマを始めたきっかけ、研究者の想い
学生の頃から、自分の技術で社会に貢献したいという想いを強く持っていました。
その中で、「人とコミュニケーションできるロボットは、人に快楽を与えられるだけではなく、一人暮らしのお年寄りの対話トレーニングなどコミュニケーション支援にもつながる」と考え、本テーマに取組んでいます。本テーマ実現のため、「機械としての理解」と「理解に基づく応答」を実現することが私の目標です。
これまでの実績・参考情報
● NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2019に出展
● 論文:成松他 (2019)「文脈を理解して話す雑談対話システム」、NTT技術ジャーナル Vol.31 No.9) ※
※ 英語版は、NTT Technical Review Vol.17 No.11 に掲載予定.
![本技術による効果の例 従来の対話 夏休みにたこ焼き食べたよ。 たこ焼きおいしいよね。 どこで食べたの? 大阪で食べたよ。 いいね。 大阪はいつ行ったの? 夏休みだよ。(さっきも言ったのに・・・) 夏休みは避暑地がいい。 。。。(何がいいたいんだろ・・・) ユーザ 本当にわかってる? ロボット 「伝わった」と感じられる対話 夏休みに大阪行ってきたよ。 大阪、僕も行ったよ。 海遊館とか行った? ううん。時間がなくて。 行けなくて残念だったね。 たこ焼きとか食べた? 食べたよ。美味しかった。 とろとろしてて美味しいよね。 うんうん! ユーザとの対話から5W1Hに該当するフレーズを正しく理解し、理解したユーザの体験に類似したシステムの知識・体験に基づいて会話します。 対話列 文脈の理解結果 類似 知識・体験データ システム](https://keihanna-rc.jp/sd1/wp-content/uploads/24-1024x798.png)
【Tech Structure】
Tech Structureについての説明はこちら
![システムとの対話でも人と話しているような充足感を得られる ユーザの内容を理解し、適切に対話を進める ユーザの会話内容を正しく理解し、記憶する 音声をノイズなく認識する 音声情報をテキストに変換する テキストからフレーズを検出する 検出したフレーズを文脈として蓄積する(文脈情報) システムの体験に基づき、共感または話題提供をする 文脈情報を用いて、類似体験を選択する 選択した類似体験を用いて発話内容を生成する 生成した結果を音声で伝える 音響信号処理 音声認識技術 フレーズ検出技術 フレーム発話生成技術 対話システム 集音装置 音声認識装置 文脈理解装置 データベース 文脈情報DB システム疑似体験DB 発話生成 音声合成](https://keihanna-rc.jp/sd1/wp-content/uploads/24-TS-1024x719.png)
※1 発話内容(イベント)を構造化された情報( 「5W1H+感想」 )として理解する。
※2 対話を通したシステムの体験蓄積(文脈情報DBの結果をシステム体験DBに反映)は実施予定。
※3 システム自らが考えて発話しているかのような感覚を醸成させることを目的とした取組。
※4 共感発話に根拠を持たせるためにユーザの体験に対するシステムの類似体験を共有。
※5 「5W1H+感想+根拠」を記号とした発話フレームに疑似体験DBの情報を当てはめて、発話を生成。
共同研究開発や連携に関する条件、メッセージ
![](https://keihanna-rc.jp/sd1/wp-content/uploads/jinbutsu.jpg)
人と同じ様にコミュニケーションできるパートナーロボットの実現を目指しています。
ロボットを対話相手として検討している方々のご意見・ご要望を伺いたいと思います。
NTT コミュニケーション科学基礎研究所 協創情報研究部 について
【組織概要】
世の中に溢れるWebやSNSなど大量の言語情報、実世界のセンサー情報、人が関わる対話・インタラクション情報を結びつけ、深い分析により、知能を創造するため計算原理構築と将来の情報インフラを支える核技術の創出をめざします。
【住所】京都府相楽郡精華町光台2-4
【URL】http://www.kecl.ntt.co.jp/icl/icl/index-j.html