機関名: 同志社大学 脳科学研究科 神経回路情報伝達機構部門
担当者: 櫻井 芳雄
連絡先: ysakurai[at]mail.doshisha.ac.jp ※お問い合わせの際は、櫻井までご連絡ください。
シーズ技術・製品の概要
心すなわち脳における情報表現・処理の実態を物理的に解明するため、神経回路がどのように活動しているのかを調べています。神経回路は有限ですが、ニューロン(神経細胞)がアセンブリを形成することで、無限・多様な記憶を蓄積することが可能になっています。本研究では、動物の行動実験や電気生理学の技術を組み合わせ、セル・アセンブリの実態を解明しています。また、ニューロンに刺激を与えることで記憶を呼び起こすといったオプトジェネティクスにも注力しています。
本テーマを始めたきっかけ、研究者の想い
カナダのHebb先生によるセル・アセンブリの本や、脳に刺激を与えることで心をコントロールするといった新聞記事を読み、心の実態を物理的に解明できるのではと考えるようになりました。近年はハードウェア及び信号処理技術の発展により、セル・アセンブリについて具体的な研究ができるようになりました。本研究を通じて、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)の実現や、精神疾患の理解などを期待することができます。
これまでの実績・参考情報
● 論文:Takamiya et al. (2019) 「Dynamics of memory engrams」Neuroscience Research, In press. Nakazono et al. (2019) 「Enhanced theta and high-gamma coupling during late stage of rule switching task in rat hippocampus」 Neuroscience, In press. 他約60本(国際誌).
● 著書:辞書 「広辞苑 第7版」 (神経科学項目執筆) 岩波書店 (2018).単行本「脳と機械をつないでみたらーBMIから見えてきた」 岩波書店 (2013).
【Tech Structure】
Tech Structureについての説明はこちら
※1 計測対象が人間の場合は、脳に電極を直接指すことは難しいので、脳波やMRIデータを代用する。
※2 電気信号の同期を計測・解析することで、記憶を作る際に活動するセル・アセンブリ領域を特定する。
※3 現在、特に注力して研究している。記憶形成や行動とセル・アセンブリの関係を双方向的に解明中。
※4 他の研究は「恐怖」に関する記憶しか調べていない。将来的には、ポジティブな記憶も呼び起こしたい。
※5 電極の耐久性向上が課題。また、小型化すれば、より広範囲の情報を取得できるようになる。
※6 脳へのダメージ低減のため、LEDファイバーのさらなる小型化が必要。
共同研究開発や連携に関する条件、メッセージ
「心」の物理的な解明についてノウハウを提供可能です。
研究に用いている電極とLEDファイバーの耐久性向上と小型化にご協力いただける企業を探しています。
同志社大学 脳科学研究科 神経回路情報伝達機構部門 について
【組織概要】
心とは脳の情報表現と情報処理である。その実態を明らかにするため、脳が実際に情報を表現し処理する時、どのような神経細胞(ニューロン)から成るどのような神経回路が、脳のどこでどのように働いているのか、神経科学的な方法を駆使し計測し解析している。
【住所】京都府京田辺市多々羅都谷1-3
【URL】https://www1.doshisha.ac.jp/~ysakurai/