#16 室内の温熱・光環境による健康影響に関する疫学研究
~疾病を予防する日常生活環境の実現に向けて~

機関名: 奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座
担当者: 佐伯 圭吾、大林 賢史
連絡先: saekik[at]naramed-u.ac.jp 
※お問い合わせの際は、佐伯までご連絡ください。

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シーズ技術・製品の概要
室温の温度や、日常生活で浴びる光に注目し、疫学的アプローチを用いて病気との関係を研究しています。

本テーマを始めたきっかけ、研究者の想い
「なぜ冬に死亡率が増加するのか?」と考えたことが、室温の健康影響を調べるをきっかけでした。外気温の影響だけであれば、北国の方が死者は多いはずですが、必ずしもそうではありません。また現代人は、これまでに人類が経験したことのない、大量の人工光を夜間に浴びています。これは生体リズムを乱し、さまざまな疾病のリスクになっている可能性があります。疫学的アプローチを用いて、温度や光環境と、病気との関係を解き明かしていきたいと思っています。

これまでの実績・参考情報
● 論文:大林ら 「夜間の光曝露とうつ症状の発生(縦断的関連)」
  Am J Epidemiol. 2018; 187:427-434.
● 論文:大林ら 「光曝露と肥満指標の変化(縦断的関連)」
  J Clin Endocrinol Metab. 2016; 101:3539-3547.
● 論文:佐伯ら 「室温と夜間頻尿の横断的関連」
  BJU Int. 2016;117:829-35.
● 論文:佐伯ら 「室温と日中血圧の横断的関連」
  J Hypertens. 2014;32:1582-9.  

日本人の月別死亡率 冬には死亡率が他の季節より上昇し、わが国の外気温低下による過剰死亡は約10万人/年と推計されています。Lancet 2015;386:369-75 現代人は日中光暴露が少なく夜間光暴露が多い 現代人は、進化の過程と比べて、屋内で過ごす時間が長いため、日中に浴びる光の量は少なく、夜間は大量の人工照明を浴びています。


【Tech Structure】
Tech Structureについての説明はこちら

生活環境と病気(がん、心筋梗塞、脳卒中など)との関係を読み解く 日常生活の実データを測定する 日々の生活を知る 外出時間を記録する 行動を記録する 睡眠時間を記録する 生活環境を測定する 室温を測定する 外気温を測定する 照度を測定する 健康状態を測定する 実環境データ 日記 温度センサ 照度センサ 血液検査

 ※1 実生活でデータを取得する研究はされてこなかった。
 ※2 2000人以上の、データを取得している。
 ※3 人は目から入る光の影響を強く受ける。

共同研究開発や連携に関する条件、メッセージ

室温の制御や、光環境の調整は、技術的に不可能ではありません。私たちの研究成果に基づいて、日常生活の環境を制御することによる健康増進や、重大な病気の予防に興味を持つ方は、ぜひご連絡下さい。

奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座 について
【組織概要】
おもに大規模な一般対象者の曝露因子を調査し、その後の疾病発生を長期間観察する疫学手法(コホート研究)を用いて、危険因子を明らかにする医学研究を行っています。この方法は、曝露因子が疾病発生の頻度や予後に及ぼす長期的な健康影響を明らかできる点が特徴です。
【住所】奈良県橿原市四条町840番地
【URL】http://www.naramed-u.ac.jp/~epi/

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