機関名: 京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 遺伝子工学研究室
担当者: 森田 重人
連絡先: s_morita[at]kpu.ac.jp ※お問い合わせの際は、京都府立大学産学連携リエゾンオフィス (075-703-5355, liaison-office[at]kpu.ac.jp)までご連絡ください。
シーズ技術・製品の概要
近年の抹茶の需要増大に伴い、玉露などの高品質な茶の生産で用いられる被覆栽培の手法が二番茶の栽培にも用いられるようになってきました。長期間の被覆栽培では、樹勢の低下が問題となります。これは被覆を外した直後に光にさらされることで、茶がストレスを受けることが原因と考えられます。本研究では、茶が受けるストレスについて、生理学的な解析および遺伝子レベルでの解析を行いました。
本テーマを始めたきっかけ、研究者の想い
長年、植物の環境ストレス(暑さ、寒さ、乾燥などによるストレス)に対する耐性について研究をしてきました。今回は、京都の宇治茶をテーマに、農家の人たちが活用可能なノウハウを提供したいと考えています。
これまでの実績・参考情報
● 学会発表:森田重人 他、「段階的に遮光率を変えて被覆栽培したチャにおける光障害の軽減 」 (2015) 茶業学会平成27年度研究発表会
● 著書:森田重人「被覆栽培した茶における段階被覆による光障害の軽減. 」 (2016) 月刊「茶」 第69巻 平成28年11月号, p22-26
【Tech Structure】
Tech Structureについての説明はこちら
※1 加工用抹茶の需要増大、緑茶の輸出拡大などが背景。
※2 元々、被覆栽培が行われるのは、一番茶のみであった。
※3 一番茶と二番茶の連続被覆を長年継続すると、樹勢低下が起こる。
※4 効率的な作業方法の確立が課題。
※5 被覆栽培後の急激な光照射がストレスとなっている。
※6 効率的な光合成活性(クロロフィル蛍光)の測定が課題。
※7 茶の被覆を段階的に外すことでストレスに順化させられることを、光合成活性の測定により解明。
※8 被覆中および被覆後に変動した遺伝子を調査し、遮光栽培に適した遺伝子を解析した。
共同研究開発や連携に関する条件、メッセージ
農業に携わる方々に本手法を通じた協力ができると考えています。また、簡便・非侵襲で葉の状態を測定するツールや、全く新しい測定手法(画像分析)なども検討したいと考えています。
京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 遺伝子工学研究室 について
【組織概要】
本研究室では高等植物を対象に、植物の生長、種子形成、環境への適応などの現象を司る遺伝子について、解析を行っています。また遺伝子工学的手法を用いて、付加価値の高い植物の育成や、植物による有用物質生産システムの確立を目指しています。
【住所】京都府相楽郡精華町大字北稲八間小字大路74番地
【URL】https://www2.kpu.ac.jp/life_environ/genetic_eng/