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2017.05.16
けいはんなリサーチコンプレックス ~i-Brain x ICT 「超快適」スマート社会の創出 グローバルリサーチコンプレックス~ オープニングシンポジウム -新たなビジネスチャンスを求めて!-開催レポート
科学技術振興機構(JST)のリサーチコンプレックス推進プログラム実施拠点に本採択されてから半年、「けいはんなリサーチコンプレックス」のオープニングシンポジウムを開催しました。
この地ならではのイノベーションエコシステムの構築を目指す当RCのオープニング企画。30周年を迎えた学研都市のポテンシャルを象徴するかのごとく、国内・海外から430名を超える多彩な顔ぶれが集い、「超快適」スマート社会とは、また、世界をリードするイノベーションエコシステムやアクセラレーションプログラムはどういうものか、当RCはそれらをどう実現していくのかなどについて、けいはんなとつながる学術機関・企業・人の紹介を織り交ぜたバラエティ豊かなシンポジウムを行いました。
(プログラム、講演者プロフィールはこちら)
■Session1:Keynote「イノベーション・エコシステムの構築:イスラエルの例から」
スピーカーは、イスラエル政府のAvi Luvton氏*1。イスラエルは今スタートアップ大国として世界から注目されているだけあって会場は満員です。聴衆を前にLuvton氏は語り始めました。ほんの70年前に建国された四国ほどの面積の天然資源に乏しい小さな国が、いかにしてGoogleやMicrosoftなどグローバル大企業がこぞって進出する世界のイノベーションハブになり得たか…。
優れた研究成果や技術、多くのスタートアップ、VCといった要素の存在のみならず、政府の強力な支援、それらを有機的につなげるエコシステムがあってこその成功。リアリティあふれる講演に盛大な拍手がおくられました。
■Session2:動き出せ!けいはんなイノベーションエコシステム
当RCを率いるマネジメントチームの面々が、けいはんな学研都市の歴史や特徴にふれながら、目指すゴールとその実現に向けた取り組みを紹介しました。
ココロに感動・活力・共感を生み出す新技術・新事業を創出する「けいはんなイノベーションエコシステム」をどのように形成していくか、全体構想、研究推進、人材育成、事業化支援・イノベーションハブ推進の視点で詳細に紹介しました。
■Session3:「超快適」スマート社会と新産業創出への挑戦
午後最初のセッションは、最先端の研究開発や技術に目を向け、これからの時代の価値観で人々が心の豊かさを実感できる「超快適」スマート社会とはどういう社会か、その実現には何が必要か、講演とパネルディスカッションで考察しました。
株式会社ソニーCSL/理化学研究所の桜田一洋氏*2による講演では氏の考える快適な理想の社会や課題解決におけるプラットフォームの重要性が、また、パネルディスカッションでは、ストレスと超快適との関係などが議論され、示唆に富んだセッションとなりました。
■Session4:けいはんなRCとERAのグローバル連携
当RCは「世界に冠たるリサーチコンプレックス」を目指し、本採択直後からグローバル連携に取り組んでいます。まず連携を構築したのがニューヨーク市で最大級のアクセラレータERA*3。本シンポジウムではMurat Aktihanoglu氏*4を迎え、ERAの活動、スタートアップがグローバル展開する手法や大企業とスタートアップの協働についての非常に実践的な講演と、ERAと連携する三井住友銀行から栗本雄太氏*5が登壇しパネルディスカッションが行われました。二人からはけいはんなについて「学術機関と企業が集積し高いポテンシャルがある」「AI、ロボティクス、IoTに期待」とのコメント、また、客席からは「大企業はけいはんなRCにどう貢献できるか」などいくつも質問が出され大いに盛り上がりました。
■Session5:けいはんなRCとつながる企業のオープンイノベーション
株式会社島津製作所、ミツフジ株式会社、ブルーイノベーション株式会社が、オープンイノベーションへの取り組みについてプレゼンテーションを行いました。また、日本で奮闘する海外からの起業家によるパネルディスカッションでは、インキュベーターの有益性など率直な意見が飛び交いました。今後けいはんなRCでは規模や業種を超えたコラボレーションを推進していきます。
■Session6:Networking:ポスターセッション&交流会
当RC参画機関に加えけいはんな地域の企業など31の機関が、製品・サービス情報をポスター・デモで紹介しました。多くの大学や研究機関、企業は大企業からベンチャーに至るまで多岐にわたる機関が集積していることが、けいはんなの特長の一つです。朝から続いたメインホールでのプログラムが刺激となり、活発な交流が最後まで続きました。
■まとめ
7つの大学や大小企業など32機関が参画し「けいはんな」が一丸となって取り組んでいるものの、認知度、開催時期やアクセス等の点で課題を持ちながら開催の日を迎えましたが、プログラム全体を通して目標を上回る非常に多くの方々にご参加いただき、好評を博すことができました。
この学研都市では最先端の研究成果や技術シーズが生まれ続けています。それらを活かし、多様な人が渦巻き、グローバルに展開する事業が次々と起こる「けいはんなイノベーションエコシステム」。参加者の業種や職種、関心事は多岐にわたり、一日を通して多角的に講演や議論が熱く繰り広げられるさまは、私たちが描くこの将来像へ向かうに相応しいスタートでした。
パネルディスカッション
Israel Innovation Authority Mr. Avi Luvton
交流会の様子
ポスターセッションの様子