2017.08.02
平成29年度 第4回 人材育成フレームワークレクチャー 開催レポート
「けいはんなリサーチコンプレックス事業」では、けいはんな学研都市での大学・研究機関の研究内容や、研究が目指す未来像などを広く紹介する公開セミナーを実施しており、第4回では奈良工業高等専門学校の松村寿枝准教授と、奈良先端技術大学院大学の神原誠之准教授の2件の講演を実施いただきました。また、「けいはんな研究シーズ発表会」として、大学院生を中心としたホットな研究トピックスのポスター発表を行い、参加者との交流を深めるとともに各研究分野での掘り下げた議論を行いました。
【講演1】「発話音声から話者の状態を知る」~音声から疲労を測る試み~ (奈良工業高等専門学校、松村寿枝 准教授)身近にある発話音声から身体的・精神的疲労度を知る技術開発を目的として、その測定法・評価法・分析機器の研究を行われています。既存の分析手法を応用し、非侵襲で日常的に計測できる利点から、ドライバーの疲労度測定などへの応用が期待されています。
【講演2】「継続利用を目的とした対話ロボット」 (奈良先端技術大学院大学、神原誠之 准教授)日常会話機会の少ない独居高齢者などへの活用を目的として、SNS投稿を利用した対話システムと対話ロボットを開発されました。またモバイル機器によるGPS位置検出と対話センシングによって独居高齢者の生活行動記録実験も行われていて、その分析と活用が紹介されました。
【けいはんな研究シーズ発表会(ポスター発表交流会)】 奈良工業高等専門学校:1件、奈良先端技術大学院大学:3件、同志社大学:9件のポスター発表を実施しました。コーヒーブレイクしながらの発表で、フランクかつ熱心な質疑応答と議論が深められました。
いずれも人間科学技術をベースにして、生体情報や、心理・行動データ解析とICTとの融合を図る研究であり、新たな応用が期待されます。