2019.04.05
第10回けいはんなRC異分野交流セミナー『デジタルアーカイブシステムの利活用で広がる世界』
2019年3月26日、国立国会図書館 関西館にて、電子図書館課 高岡 一氏を講演者に迎えて、オープンデータを支える「デジタルアーカイブシステム」を紹介いただきました。セミナー後半では、施設の見学を通じて"知の宝庫"の魅力にアクセスし、資料検索システムに触れながら、異分野間のディスカッションと交流を深めました。
■ Session 1国立国会図書館 関西館の概要
関西館の館長 本吉様より「国立国会図書館関西館へようこそ」と題してお話をいただきました。
・ 国立国会図書館の概要
国立国会図書館は1948年に設立され、昨年、開館70周年を迎えました。現在、施設は、東京本館(1961年建設)、国際子ども図書館(2000~)、関西館(2002~)の3つあります。この3施設が機能を分担し、一体的にサービスを行っています。
・ 関西館 建設の目的
次の2つに要約されます
① 図書館資料の増加に対応した大規模収蔵施設の確保
② 高度情報通信技術の発展に対応した図書館サービスの提供
・ 関西館 第2期施設整備
第1期施設と合わせて収蔵能力約2,000万冊を想定。第2期第1段階では、第2期用敷地の約1/3を使用し今後約15年間の増加分の収蔵能力(約500万冊)を確保します(地上6階建、延床面積25,300㎡)。
■ Session 2講演「オープンデータを支えるデジタルアーカイブシステムの仕組み」
関西館 電子図書館課 高岡様より、国立国会図書館の電子図書事業を担う300万点以上のデジタル資料を提供する「国立国会図書館デジタルコレクション」やウェブサイトを収集・保存する「インターネット資料収集保存事業(Web Archiving Project)の運用を支える「デジタルアーカイブシステム」についてご解説いただきました。
★ 国立国会図書館デジタルコレクションhttp://dl.ndl.go.jp/
国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧・複写できるサービス。国立国会図書館のデジタル化資料のうち、絶版等の理由で入手が困難な資料を公立図書館、大学図書館などで利用可能とする図書館送信サービスも実施。
★ 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 WARPhttp://warp.da.ndl.go.jp/
国の機関、地方自治体、独立行政法人、国立大学などの日本の公的機関が発信するものは法律に基づき、私立大学や、国際的、文化的なイベントなど民間が発信するものは許諾を得てウェブサイトを収集しています。インターネット上での公開についてウェブサイトの管理者から許諾を得られたものは、ご自宅などからもご覧いただけます。
★ 書誌情報の利活用
国立国会図書館デジタルコレクションの書誌情報については、オープンデータセットとして公開しており、様々な形での利活用が可能です。
■ Session 3国立国会図書館 関西館の科学技術関係資料とサービス紹介(見学含む)
関西館 文献提供課 依田様・大塚様より、見学を通じて資料とサービスのご紹介をいただきました。総合閲覧室に開架された資料の活用をご案内いただくとともに、共同研究室(5人以上のグループで利用可)、研究室(個人及び少人数で利用可)、通常立ち入ることのできない地下の書庫や自動書庫への納架作業を見せていただき、莫大な資料を収蔵する「知の宝庫」の魅力と活用法にアクセスすることができました。
■ Session 4異分野間の交流会
関西館で運用している検索システムのデモ機に触れながら、関西館スタッフの皆さんと熱いディスカッションを展開し、新たな発想を創発しあう有意義な交流会となりました。
<参加者の声>
● 第二国立会図書館の構想から10数年もの年月を経て関西館建設が実現したことに感慨を覚えました。
● 組織図からサービス内容が想像でき、どのようなサービスを提供されているのかよく分かりました。
● サービスやシステム構成の考え方等、参考になりました。
● 関西館の研究室を是非活用したいと思います。資料室運用の参考にもなりました。
● 5人以上のグループで利用できる共同研究室の上質な空間 ― 知の交流の場としてぜひ活用してみます。
● 今まで本を調べる際に来館して検索していましたが、インターネットで事前にしらべておける仕組みを教えていただき有意義でした。
● デジタルデータとして検索等で有効活用できそうです。