第15回「大学リレーセミナー」(協力)2018.06.27
(公財)京都産業21では、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)におきまして、入居企業、けいはんな学研都市に立地する研究機関や企業、支援機関の方々にも参加していただき、研究内容や事業内容などの事例紹介、外部講師による話題提供などの相互交流の場づくりを進めています。今回のテーマは、「スマートライフ」です。
このイベントはけいはんなリサーチコンプレックスの協力イベントです。
開催日時 | 2018年06月27日(水) 18:00 - 20:00 |
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プログラム | 第1部:「PD-1とがん、そして自己と非自己の識別」 私はTリンパ球(略称はT細胞:がん細胞の溶解や臓器移植の拒絶反応などを司る白血球のひとつ)による「自己-非自己」識別機構の本質に迫りたいと思い、学生時代に夢見たサブトラクション実験を京都大学の本庶研究室にて実行し、たったひとつのPD-1遺伝子にたどり着きました。そのPD-1は、当初私が狙っていたような細胞死関連分子ではありませんでしたが、PD-1の機能をオプジーボなどの抗体で弱めると一部のがんが治ることが発見され、T細胞が「自己」と「非自己」を識別する際に、PD-1が重要な役割を果たすことが明らかになってきました。これらの知見が、世界各国でがん治療のために応用されていますが、今回のセミナーでは、これまでのPD-1研究の展開と課題などについてお話しします。
● 講師:石田 靖雅 先生 (奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 准教授)
第2部:「進化する神経内科診療と筋難病研究の新展開」 神経内科学は、脳・神経・筋の疾患を内科的専門知識と技術をもって教育・研究・診療する講座です。この脳から脊髄、末梢神経、筋に至る「神経系」こそが、人間が人間たる所以である最も重要な組織です。私が医師になった1995年当時は、難病の半数以上が神経内科で扱う疾患で、診断されても治療法がなく「治らない神経内科」と揶揄されました。しかし、最近の驚異的な脳科学の進歩により、以前は対症療法に甘んじていた脳卒中や認知症、そして多くの神経筋難病にも新たな画期的な治療法が次々と開発されました。まさに「治る神経内科」の時代です。神経筋難病の研究も飛躍的に進化し、私の研究テーマであるオートファジー異常に関連する筋疾患の病態解明や新展開についても紹介いたします。今後、超高齢化社会を迎えるにあたり、脳卒中や認知症、パーキンソン病などの増加が見込まれ、神経内科医の需要は益々高まるところです。神経内科学の将来展望についてもお話しいたします。
●講師:杉江 和馬 先生 (奈良県立医科大学 神経内科学講座 教授)
いずれも、お話 45分を予定。その後、意見交換 15分を予定。 |
参加費 | 500円/人(茶菓代として、当日集金) |
申込締切 | 2018年06月20日 |
定員 | 40名 |